遺産相続の場合は、その多くの手続きにおいて、“期限”が定められています。そのため、スムーズに遺産相続を進めるには、あらかじめ必要な手続きとその期限を把握しておくことが大切です。
そこで、以下では、期限別に必要となる手続きを一覧にまとめました。(ケースによって必須でない手続きも含まれています)
被相続人が死亡したことを証明する書類として、医師から死亡診断書を受け取ります。
被相続人が生前から何らかの疾病を患い通院や入院していた場合で、かつ、その疾病を原因に死亡した場合には、診療を担当してきた医師から死亡診断書を発行してもらいます。
なお突然死・不明死・事故死などの場合には、警察による検死ののち、警察から死体検案書を発行してもらいます。死亡診断書も死体検案書も、遺族が行う公的年金や生命保険などの手続きに必要となる大切な書類です。
死亡診断書と一緒に医師から交付された死亡届、および市区町村の窓口に設置されている火葬許可申請書の2点を、市区町村の窓口へ提出します。
火葬許可申請書が受理されると、火葬許可証が発行されます。火葬許可証は、火葬当日に火葬場の管理事務所へ必ず提出する大事な書類となるため、紛失しないよう当日まで大切に保管しましょう。
被相続人が世帯主で、かつ残された世帯員が2名以上いる場合、市区町村役場で世帯主変更届の提出をします。
ただし、仮に残された世帯員が2名以上だったとしても、「親権者1人と15歳未満の子ども」の場合には、自動的に親権者が世帯主となるため世帯主変更届を提出する必要はありません。
被相続人が生前に国民年金や厚生年金を受給していた場合、年金相談センターや年金事務所に年金受給権者死亡届を提出し、年金の受給停止手続きを行います。
国民年金は被相続人の死亡から14日以内、厚生年金は被相続人の死亡から10日以内に手続きを行う必要があります。
国民健康保険や後期高齢者医療保険の資格を有していた被相続人は、その死亡から14日以内に資格喪失手続きを行わなければなりません。
mた、被相続人が介護保険被保険者証を所有していた場合には、介護保険資格喪失届を市区町村役場へ提出し、あわせて介護保険被保険者証の返却が必要となります。
被相続人が死亡したら、速やかに被相続人名義の金融機関に連絡をし、入出金ができない状態にしてもらいます(口座の凍結)。
入出金できる状態のまま口座を放置すると、他の相続人等が勝手にお金を引き出す恐れがあります。
被相続人の口座から公共料金等が自動振替となっている場合、速やかに被相続人以外の口座から振替されるよう手続きを行う必要があります。被相続人の口座を凍結すると、その口座からの公共料金の振替ができなくなるからです。
遺産相続に対する基本的なスタンスとして、相続放棄・単純承認・限定承認のいずれかを選択します。
相続放棄とは、被相続人からの一切の財産・借金の相続を放棄すること。単純承認とは、被相続人からの一切の財産・借金を相続すること。限定承認とは、財産を相続して被相続人の債権者に返済する形の相続を言います。限定相続だけで借金の全額を返済できない場合、相続人は残債を相続する必要がありません。
被相続人が個人事業主、または不動産所得のある者だった場合、死亡した年の1月1日から死亡した日までの所得税について、確定申告して納税しなければなりません。
なお、確定申告は例年3月15日までに前年分の所得を対象として行いますが、1月1日以降3月15日以前に被相続人が死亡した場合、被相続人が前年分の確定申告を行っているかどうかも確認する必要があります。
相続の開始を知った10か月以内に、税務署で相続税申告と納付を行います。10か月を過ぎてから申告・納付を行う場合、延滞税がかかるため、早めに自分への相続財産を確認し申告の用意をしておく必要があります。
仮に相続人同士の遺産分割協議が終わっていなくても、相続の開始を知った日から10か月以内という期限は延長されないので注意が必要です。
なお相続した財産が基礎控除の範囲内の場合には、相続税の申告・納付が必要ありません。
相続人に遺留分(遺産の最低限の取得分)があるにもかかわらず、遺言等により別の相続人や第三者へ相続されたことで自分の遺留分が侵害されている場合、相続を知ってから1年以内に「遺留分侵害請求」を行うことができます。
遺留分侵害請求を行うことで、遺留分を侵害している者に対し、自分に与えられるべき最低限の遺留分を支払うよう請求することができます。
被相続人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬祭費として喪主へ2~7万円ほどが支給されます(金額は自治体により異なります)。また、被相続人が会社で健康保険に加入していた場合、埋葬料として喪主へ5万円が支給されます。
葬祭費は葬儀の日の翌日から2年以内、埋葬料は亡くなった日から2年以内に請求手続きを行う必要があります。
被相続人が生命保険に加入していた場合、死亡日から3年以内に保険会社へ生命保険金の請求を行います。
生命保険金は、被相続人の死亡によって自動的に支払われるものではありません。受取人の請求手続きに基づき支払われます。
年金加入者たる被相続人が死亡すると、その配偶者または未成年の子どもに対し、遺族年金が支給されます。請求手続きの期限は、被相続人が死亡してから5年間。遺族年金の受け取り品が申請しなければ支給が始まらない点に注意が必要です。
遺言書の有無により、相続の段取りや分割割合などが異なります。そのため、まずは遺言書があるかどうかを確認することが大切です。
自宅などに金庫がある場合には、金庫内に遺言書が保管されている例が少なくありません。また、公証役場に遺言書を託している方もいます。相続人同士、心当たりのある場所を探してみましょう。
遺言書がないと確認された場合には、誰が法定相続人となるかを明らかにする必要があります。あわせて、それぞれの法定相続人が正しく相続できるよう、相続財産の内容や評価額を確認しておくことも必要です。
法定相続人を特定するためには、被相続人が生まれてから無くなるまでの全ての戸籍謄本を確認する必要があります。
また、相続財産に不動産が含まれる場合には、市区町村役場から送付される固定資産税の課税明細書を確認しましょう。
法定相続人が複数人いる場合には、各相続人の相続分を決めるための遺産分割協議を行う必要があります。
遺産分割協議は、全員が一堂に会して行う方法のほかにも、電話やメール、手紙などのやりとりを通じて行う方法も認められています。ただし、遺産分割の内容が合意に至った場合、遺産分割協議書には相続人全員の署名・捺印が必要となる点はご注意ください。



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